前回の「小さな音で弾けますか?①」の続きです。
表現力のためには、より小さい音で弾く!ということでしたよね。
本当に上手いプロのプレイを聴けば、「その通りだ!」というのがすぐに分かります。
みなさんが思うほど、プロの生音は大きくありません。
“ここぞ!”というときに、フォルテッシモが出せるよう、上手くコントロールしています。
アンプを通さない、完全な生音でギターを弾くと、その人のピッキングの悪い点がすぐに分かります。
アマチュアは、自分が思う以上に強くピッキングしている人が多いです。
ちょっと前までの私がそうでした……(汗)。
小さく弾ければ、あとはピッキングにちょっとだけ勢いをつけて、強さを変えてやるだけで大きくなります。
その結果、抑揚のある表現力に富んだ演奏に聴こえます。
プロの神髄
私にこの気づきをもたらしたのは、ロベン・フォードのライブでした。
東京の老舗ジャズクラブの最前列、正に鼻先50センチの所でギターソロを弾くロベン。
彼の息づかいまでがはっきりと聞こえてくる好ポジションで、彼から“無言の教え”を授かったのです。
曲は彼お得意のスローなジャズブルース。
控えめのヴォリュームでギターソロが始まります。
そして曲が進むにつれて、バックも徐々に盛り上がって行きます。
それに合わせてロベンの手数も増えていき、テンションも上がって行きます。
当然、ギターのヴォリュームも上がっていくのですが、彼はギターのヴォリュームノブをいじって音量を上げているのでは決してありません。
ましてや、ヴォリュームペダルやブーストペダルを踏んだわけでもありません。
完全に右手だけのコントロールで表現しているのです!
プロのダイナミクスの広さを目の当たりにした瞬間でした。
ロベンから教えられたこの“気づき”は、私にとって一生の財産です。
これに気づいただけでも、ほんの少しだけ自分の表現の幅が拡がった気がします。
ほんのチョットだけね……。
とにかく、アマチュアは力任せのピッキングの人が多すぎます。
一度自分のピッキングをリセットしませんか?
新しい発見がたくさんあると思いますから!