私はエリック・クラプトンが大好きで、勝手に“心の師匠”と仰いでいます(笑)。
特に、10代後半から20代後半までの約10年間は、クラプトンのコピーをしまくりました。
当時はビデオしかなかった時代。彼の左手のフィンガリングは勿論、右手のアップとダウンの順番まで、ビデオを何度も巻き戻しながら、厳密にコピーしました。
ギターには多くの「異弦同音」が散らばっていますが、同じ音でも弦やポジションが違えば、響きが変わります。
更に、右手のピッキングに関しても、アップとダウンでニュアンスが変わります。
若かりし頃の私は、そこまでもクラプトンと同じようにやりたかったのです!
そのように、がむしゃらにコピーしまくった当時の経験が、ギターを弾くうえで、今の私の土台になっていると言っても過言ではないでしょう。
1,000の言葉よりも1回の見本
そんなことばかりやっていると、最終的には、その人の“呼吸”がつかめてきます。
その人の個性にもつながる“間”というものが分かってくるのですね。
気づけば、何を弾いても「クラプトンっぽいね」と言われる始末……でも、その頃の私にとって、それは最大級の褒め言葉だったのです!今となってはいい笑い話ですね(笑)。
人が何かを学ぶとき、言葉であれやこれやと説明されるより、実際に目の前で見本を見せられた方が習得は断然早いです。
まさに私にとってのクラプトンは、言葉で教えてくれる以上のものを授けてくれる存在だったのです。
余計な言葉などいらないのです。
実際のプレイを見せてくれるだけでいいのです。
私たちは、それをただ真似るだけでいいのです。
コピーをしただけ上手くなる
このように、一人のアーティストを狙い撃ちで深く掘り下げるコピーは、ギター人生の中のどこかで一度はやって損のない経験です。
他人の弾いたフレーズをコピーするということは、自分にはない運指や音の選択、間の取り方などを採り入れるという、ある種の挑戦です。
その挑戦は、確実に自分の世界をワンランクもツーランクも引き上げてくれます。
とにかく、コピーしまくるのです。コピーしてもしても、し過ぎるということはありません!!