全ての楽器をプレイする人にとって、体の無駄な力を抜くこと、つまり“脱力”はとても大切です。
ギターリストも、もっとこの問題に敏感になって欲しいと思います。
力は不要
特にカッティングにおいて、脱力は死活問題です!
リズミックなカッティングは、脱力が大前提と言ってもいいでしょう。
コツとしては、ダウンに関しては、腕を“ストン”と下へ落としてやるイメージです。
力が抜ければ、自然に下へ落ちますよね?
そう、まさに“ニュートンの法則”です(笑)
ピックを持つので、全く力が必要ないわけではありませんが、腕の上げ下げに関しては、完全脱力を目指します。
そして、下へ振り下ろされた反動を利用して、上へ戻ります。
その際も、力で戻すのではなく、あくまでも脱力して、下へ振り下ろした時の反動を利用します。
縮んだバネが自然に戻るイメージです。
アップ時のリズムが甘くなることのないように、しっかりとリズムにハマったストロークを心がけてください。
ムチで切り裂く!
本当に上手い人は“スパ”っと切り裂くように腕を振ることが出来ます。その瞬発力が、キレのあるリズムに結びつきます。
イメージとしては、ムチを打つような感じです。
しなやかにムチをしならせるのに、力はいりませんよね。
軽い動きによる瞬発力をムチに伝えてあげるイメージです。
そのイメージをそのまま腕の上げ下げに適用するのです!
完全に脱力された状態で、ムチを打つように“スパ”っと腕を振ることが出来れば、音抜けもよく、大きな音になります。
そこがポイントです!!
ドラムでもピアノでも、何でもそうです。力みのない一打が、抜けの良い音を作りだします。
ヴォーカリストでさえ脱力を意識
余談になりますが、ヴォーカリストも脱力に関しては敏感です。
ヴォーカリストにとっては体が楽器です。声を出す時に体に力が入っていては、肝心の響きが殺されます。
お寺の釣り鐘と同じですよね。
釣り鐘の中に、何かが入っていたり、何かが触れていては、音がつまってしまい、きれいに響いてくれません。
つまり、音楽に携わる人すべてが、すべからく脱力というテーマと深く付き合っていかなくてはいけないということです。
その中でも私たちギターリストは、いかにしなやかに“スパ”っと斬れるか……
そこに心血を注ぎましょう!
しなやかさは脱力されて初めて生まれるのです。