以前、ギターリストにとって力みは最大の敵であるというお話しをしました。
(「脱力 – 力みは最大の敵です!」参照)
つまり、いかに体の力を抜けるか……“脱力”はギターリストのみならず楽器奏者にとっての永遠のテーマです。
右手のストロークに関してのポイントは、力を抜いて、右手全体がまるで“ムチ”のように、しなやかに“スパ”っと振り下ろせるか?ということです。
日本刀の名手が“スパ”っと、竹を斬り落とすようなイメージですね。
”点”を意識せよ
しなやかに“スパ”っと斬れるということは、6弦から1弦までの移動時間が短くなるということに他なりません。
6弦から1弦までの移動時間……??
6弦から1弦までは短いながらも距離があります。
例えば、これを執筆している私の横にあるフェンダーUSAのストラトキャスターで約5.2センチです。
たったそれだけの距離とはいえ、6弦をヒットしてから1弦をヒットするまでには、どんなに素早く振り下ろしても時間差が出来てしまいます。
上手い人、つまりちゃんと脱力された状態で右手を振りおろして“斬れる”人は、その時間差が小さい。
つまり、6弦にピックが触れてから、1弦に達するまでの時間差が小さいのです。
時間差が小さいということは、それを音符に置き換えた場合、音価の小さな音符になるということです。
つまり、しなやかに“スパ”っと斬れるようになればなるほど、一振りがどんどん“点”に近づいていくということです。
この考え方はとても大事です!!
ギターはドラムと同じ思考で
これは、ドラムを考えるとよく理解できます。
ドラム(タイコ)は叩いた瞬間に音が出て消えてしまうのが特性ですよね。
つまり音を“点”で捉えていく楽器です。
対して、ギターは全て6本の弦をストロークする場合、6弦から1弦までの約数センチの距離が問題になります。
ですから、ギターもストロークを限りなく“点”に近づけられればしめたもの。
以前にも触れた、“ギターは打楽器”という概念そのものです。
(「ギターは紛れもなく“打楽器”です!」参照)
これからギターを弾くときは“点”を意識してみてください。
リズムを強化するはじめの一歩はそこからです。