このタイトルに「?」と思われた方も多いと思いますが、私はいたって真剣です(笑)。
もちろん、ギターは音程がある弦楽器であることはいうまでもありません。
今でこそ、ギターはバンドにおいて、どちらかというと花形パートとして認識されていると思いますが、一昔前は完全な脇役でした。
ホーンがメインのビッグバンドが全盛の頃は、ギターは“リズムギター”と呼ばれ、メロディではなく、コードバッキングを刻むのが主な役割でした。
つまり、ギターはソロ楽器ではなく、リズムを担う、どちらかと言うと打楽器に近い扱いだったのです!
ですから、海外では、今でもコードカッティングのことを“リズムギター”といったりしますよね。
ギターに対するイメージを根本から変えてください
私は、そのことこそがギターの本質だといつも考えています。
ギターは、リズム楽器と言う側面が強い。
つまり“ギターは打楽器”なのです!!
そう捉えてギターと接する方が間違いや迷いが減ると思います。
ギターは、メロディを奏でることが出来るので、どうしてもメロディが流れる方向、つまり“横軸”で考えてしまいがちです。
もちろん、ソロを弾く時などにはその意識も必要です。
しかし、点の連続で成り立つ打楽器が持つ“縦軸”という視点もギターには不可欠なのです。
つまり、どんなフレーズを弾くにしても、“縦軸”がブレていないかという視点が大切なのです。
セッション・ベーシストとして百戦錬磨の御大エイブラハム・ラボリエルは言います。
「ベーシストは、自分を“ベースドラム”だと思って弾くのさ」
これはとても示唆に富んだ名言だと思います。
彼の言う“ベースドラム”とは、ドラマーが足で操るバスドラムの事だと思います。
バスドラム自体に音程はありませんが、まるでそのバスドラムがメロディを奏でるかの如く、ベースを弾くという意味です。
ベースとドラムは、“リズム隊”として、曲の土台を支えて、曲のノリを造りだすバンドの屋台骨です。
そんな2つのパートが心血を注ぐのが、バスドラムとベースのコンビネーションです。
時にはシンクロしたり、時には絡み合いながら進んでいく……
曲のタイトさを決めるのはまさにそこです。
私自身、こういったことを意識するようになって以降、ドラマーやベーシストにいろいろな話を聞くようになりました。
ギターがリズム的側面の強い楽器である以上、同じリズムを担うドラムやベースに意見を求めるのは自然な行為ですよね。
参考書籍なども、ギターに関連したものよりは、ドラムやベースに関連したものの方が、参考になったりします。
実際に、ギターリスト向けにリズムを説いた書籍はいくつかありますが、どれも全く役立たず……
やはり“餅は餅屋”で、ドラマーやベーシストは、ギターリストには到底考えもつかないようなリズムの捉え方、感じ方を持っています。
その考え方ををどんどん採り入れて、実際のギター演奏に反映できるようにするのです。
必ず得るものはあるはずです。
カッティングの修練のほうが大事
そして、この考え方は何もカッティングの時だけに当てはめられるものではありません。
ソロを弾く時にも当然持つべき考え方です。
カッティングが上手い人は、ソロを弾かせても上手いです。
カッティングの延長でソロも弾けるので、リズムが立つ、つまりリズミックな演奏になるのですね。
逆に、満足にカッティングが出来ない人のソロは、ただ音を弾いているだけで、リズム感が希薄です。
ドラムとベースのリズム隊はバッチリなのに、なぜかバンド全体としてのノリが悪い、締まりがないなどの原因は、意外にギターにあったりします……(笑)
これを機会に、「俺は打楽器だ」と自分に言い聞かせましょう!
マインドコントロールですよ(笑)。
そして、是非カッティングギターに目を向けてください。
みなさんの今後の長いギター人生に必ずプラスになりますから。
今日からギターリストの皆さんも“リズム隊”の仲間入りです!