ギターリストでソロを弾く人なら一度は聞いたことのあるスケール“ペンタ”。
みなさんは、どの程度ペンタを使いこなしていますか?
クラプトンはペンタの鬼
私ごとですが、私のギターの師匠はエリック・クラプトンです。若いころには、彼のプレイを細部まで研究しまくる日々を送りました。
その経験が、現在の私の土台になっていると言っても過言ではないでしょう。
これまでの人生において、あれだけ傾倒したギターリストはクラプトン以外にいません。
そのクラプトンのプレイの根幹をなすのが、ペンタトニック・スケール、通称“ペンタ”です。
その名のごとく、5つの音で出来上がっているスケールです。
ペンタを使って、縦横無尽にネックを駈け回り、毎回違うソロを繰り出すクラプトンに、若かりし頃の私は完全にKOされたのでした。
「あれを体得すれば、アドリブが出来るんだな」と知った私は、その日からペンタ一色の生活が始まるのです。
まずはフレット上におけるペンタの形を指に覚え込ませて、来る日も来る日も、クラプトンのコピーに勤しみました。
クラプトンのフレーズは、正に“ペンタのお手本”と呼ぶべき正統派のものが多く、とても勉強になりました。
あの経験が、今の私を作り上げているのは間違いありません。
迷ったらペンタ
私はペンタを“ホーム”という位置づけで捉えるようにしています。
どんなスケールを弾いていても、すぐに戻ってこられる“ホーム”です。
本番のステージで、ソロを間違った時に、すぐに応急措置としてペンタという“ホーム”に帰れば、次の出方を考える余裕が生まれます。
そのためには、やはり体にペンタを馴染ませておく必要があります。
ですから、ペンタはギターリストにとっては“マスト”のスケールです。
何も考えずに弾けるレベルまで習熟したいものです。
ペンタを軽視するな!
にもかかわらず、ペンタを軽視する人が多いのは何故でしょうか?
よく「ペンタだけだと恥ずかしい」「単純なので飽きる」などという意見を耳にしますが、そういう人が、ちゃんとペンタを使いこなしているのかは甚だ疑問です。
“たった5つ”と侮ってはいけません。
5つの音しかないからこそ、弾く人のセンスが浮き彫りになります。
5つの音だけで表現しなくてはいけないため、プレーヤーの技量が問われます。
世界の一流プレーヤーを聴いていても、明らかにペンタオンリーと分かるフレーズを堂々と弾く人も数多くいます。
私自身、もしギターの神様から「キミは今後一生、ペンタしか弾いてはいけません」と言われたら素直に従います。
他のスケールなんて、あっさりと捨てる自信はあります。
それだけ、ペンタの世界は奥が深く、一生かけて追及する価値のあるものだと思います。
指板上の形が簡単なだけに、ちょっとやって覚えたつもりになっている人が多いのではないでしょうか?
・5つの中からどの音を選ぶか?
・どういう順番で組み合わせるか?
・弾き出すタイミングは?
・終わりは?
などなど……
その可能性は無限大です!!!